ボーダーが下がっているから合格可能性が上がる?
大学受験の構図はそんな単純ではありません。

ボーダーが下がるということは、「志望大学を落としてくる人が増える可能性が高い」ということを意味します。

そうすると、ボーダーが下がると思いきや、ふたを開けてみれば前年度より倍率が一気に上がるなんてことも大学受験では珍しくありません。

例えば、前年度が例えば2倍未満の倍率の国公立大学があり、そういったところに出願が集中すると3倍~4倍になり受験難易度が上がることもあります。一気に6倍~7倍などに跳ね上がることもあります。
ただ、逆に「人が集中して倍率が上がるだろうから辞めておこうと敬遠する子がたくさんいれば、2倍未満のまま」になることもあります。さらに、倍率が下がることだってあり得ます。

結局、細かく読み切ることは誰にも出来ません。

今回の共通テストは全体的に難化しました。それは平均点からも言えるでしょう。
でもそれが、受験難易度が下がるということを意味しているわけでは必ずしもありません。

「受験難易度、つまり、ボーダーが下がる可能性が高そうだ」と言えることがあるすれば、
共通テスト前に出願しなければいけない私立大学において、共通テスト利用で出願している場合は、ボーダーが下がる可能性が高いと言えると思います。

大学受験は、高校受験のように単純には考えることは難しいです。

つまり、何が言いたいかと言えば、
「共通テストの平均点は一気に下がりましたが、それによってボーダーが下がるとは必ずしも言えないですし、むしろ大学によってはボーダーが変わらなかったり、上がることもあります。倍率の影響は大きいということです」
ただ、難関大学はあまり変わらないとは思います。
(難関大学は二次試験のは配点が大きい場合がほとんどです。難関大学志望者はその大学への合格に拘る子が多い傾向にあります。名古屋大学法学部のように共通テスト重視の難関大学もありますが、判定が厳しければ志望大学を下げる子も一定数いるでしょうし、どうしてもその学部に行きたければ厳しくとも志望学部を変えないこともあるでしょうし。結局のところは、出願して受験しなくてはわからない…ということです。)

予備校の判定は、自己採点を元に出しています。
判定はあくまで判定の域を出ません。

これが大学受験の怖さでもあります。

高校受験は事前に内申点が確定しています。
大学受験は、事前に自分の共通テストの点数は一切わかりません。(自己採点の正確性は極めて重要なのです。)